はじめに
1億円以上資産がある人はどんな人たち?
まず、1億円以上の資産を作るハードルがどれくらい高いのかを見ていきたいと思います。野村総合研究所の発表によると2021年に1億円を超える資産を持つ世帯数は149万世帯で、全体の2.74%となります。36世帯に1世帯が富裕層ということになりますので、小学校のクラスの中に1世帯は富裕層がいるかいないかという感じですね。まるで出会う可能性がないわけではありませんが、決して多いとは言えない人数です。
実際に多くの家計相談を受ける中での私の実感ベースになりますが、1億円以上の富裕層の方は以下のようなケースが多いです。
【運による】
宝くじなどに当たる、親が資産家で相続や贈与を受けている
【収入が高い】
外資系コンサルタント、外資系金融、大手商社、士業(医師、弁護士、会計士)、ベンチャー企業や急成長のグロース企業でストックオプションやRSU(※)を得ている、退職金が多い会社に勤めている
【経営者】
企業オーナー、起業し上場益を得ている、起業しバイアウトしている
【投資家】
株やFXなどの集中投資で資産を築く、不動産投資で成功する
また、夫婦で公務員を勤め上げて、貯蓄+退職金を合わせて億を超える資産を作ったり、会社員夫婦でコツコツと貯蓄と積立投資を長年続けて“億り人”になった方もいます。
トマス・J・スタンリーの名著『となりの億万長者』(早川書房)や『1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました』(文響社)では、億を超える資産を持つ人は「中古物件や中古の国産車に乗りクーポン券を好んで使う」といったように、華美な生活はおくらない普通の人が多く、その多くが“身の丈に合った”お金の使い方をしていると語られています。
※RSU(譲渡制限付き株式ユニット) 一定期間経過後に株式を受け取る権利が付与される事後交付型株式制度。従業員が勤務条件を達成した場合やボーナスの代わりに付与される。譲渡制限があり、経過年数ごとに一定の割合で株にできる。簡単に言えば「自社株を数年に分けてもらう権利を付与される制度」のこと