はじめに

毎月あと10万円を捻出する必要がある

話を1億円に戻します。現在の貯蓄200万円、運用している資産950万円は今後の学資と生活防衛費として手をつけないと考えていく場合は、先ほどのシミュレーションで出た19.2万円を安定的に運用に回して積立ていく必要があります。

毎月9.5万円が収支で黒字になっているようなので、あと10万円を支出改善で捻出する必要があります。目指すことはできなくはないけれど、かなり厳しい数字です。

そもそも、老後に1億円必要なのか、現在の生活の充実と老後の生活のどちらに優先度を置くか、想定外の支出(子どもの留学、自宅の修繕、親の介護、家電の買い直し、自動車の修理など)に対応することを優先するかなど、最終的には「人生の価値観」が重要になってきます。

まずは、家計をしっかりと把握して、年間でかかっている支出が何に消えているかを把握し「重要でない支出」から切り詰めていくと良いでしょう。その上で、将来のライフプランを立てて、ライフイベントごとにいくら必要になるかを考えて準備をしていくことが必要です。

例えば教育資金は「使う時期」が決まっているので、本来は「投資で作る」には適していません。いざ使おうと思った時に暴落が起こってしまえば、引き出すことで大きく損してしまう可能性もあります。ライフイベントごとにかかる費用を算出し、現金貯蓄でためるお金と、投資運用で貯めるお金は整理しておくと良いでしょう。

価値観とお金の使い方に向き合って

今の延長線上に未来があるので、現在を変えることで未来が変わってきます。まずは足元を固めて、現状把握をしっかりとすることと、必要なお金は何であるか、夫婦で話し合いながら人生の価値観が揃うと強い家計が生まれます。

現在のお金の使い方が適切か?また投資に回しすぎて現在の生活がおろそかになっていないか?1億円必要か?幸せとは何か?お金を考えることは、人生を考えることにつながります。どこか参考になれば幸いです。

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