日本は165か国中何位?世界の2021年SDGs通信簿が公開、16項目の進捗度も
日本の及第点は16項目のうち3項目のみ
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8月9日、産業革命前と比べた世界の気温上昇が2021~2040年に1.5度に達するとの予測を公表しました。2018年の報告書で想定した2030~2052年より10年ほど早まりました。IPCCは人間活動の温暖化への影響は「疑う余地がない」と断定。産業革命前は半世紀に1回だった極端な猛暑は、1.5度の気温上昇で9倍、2度で14倍に増えると予測しています。強烈な熱帯低気圧の発生率は1.5度の上昇で1.5倍、農業に被害を及ぼす干ばつの発生率は2倍に拡大する予想です。気候変動リスクをきちんと受け止め、対策を急ぐ必要性が高まっています。10月末からの第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の議論への注目度が増しています。
年内のドル円は108~110円台のレンジ相場か、米金融政策の行方と為替相場の展望
市場のテーマはFRBのテーパリング完了時期へ
いよいよ米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和縮小のタイミングが近づいてきたと思われます。デルタ変異株の感染拡大といった不透明要因もありますが、この先のFRBの金融政策とドル円の値動きを展望してみたいと思います。
世界の株式市場は「K字型」に、出遅れ日本株の回復ヒントはインドにあり?
日本株にもいずれ経済再開相場が訪れる見通し
足元では、新型コロナウイルスのデルタ型による感染の拡大が世界中で猛威を振るっています。一日あたりの感染者数が過去最多を更新する日本はもちろんのこと、一時期は一定レベルまで感染が落ち着いた欧米諸国でも感染者数が再び増加に転じているケースが散見され、経済・金融市場への影響に予断を許さない状況が続いています。とはいえ、実際の株式相場を見ると、コロナショックが起きた2020年3月当時とは随分と異なっていることが分かります。つまり、グローバルの株式相場が必ずしも総悲観に陥っているわけではなく、株価のパフォーマンスに明暗が分かれているということです。
米FRBテーパリング決定は年内か、今後の米金利と日米株価の動きを徹底予想!
米国株の健全な上昇が続くこと自体は、日本株にもポジティブ
一般に、米国の市場金利の動向と、日米株価の相対的な値動きには一定の関係があることで知られています。それは米国の市場金利が上昇する際に、米国株(S&P500)よりも日本株(TOPIX)の方が上がりやすいという特徴です。また、米国での金利上昇には、景気回復期待の高まりを伴うことが多く、景気に敏感な銘柄が物色される傾向があります。株式市場を構成する銘柄の特徴として、日本株には景気敏感株が多く含まれており、米金利が上昇し、景気敏感株が買われる局面では、日本株が米国株に対して相対的にアウトパフォームしやすいと考えられます。FRB(米連邦準備理事会)は18日、7月のFOMC(連邦公開市場委員会)の議事要旨を公開しました。市場ではテーパリング(金融緩和の縮小)の開始時期にさらなる注目が集まっています。今後の米国の市場金利は上昇へと向かうのでしょうか。
米テーパリング開始は早くて10月以降、雇用統計と当局発言から年後半のドル円相場を読む
米7月雇用統計直後はドル上昇、米国債利回り上昇
8月6日(金)に発表された米7月雇用統計は、事業所調査ベースによる非農業部門雇用者数(以下、NFP)が前月比94万3千人増と、事前予想中心値の87万人増に比べてかなり強い内容となりました。前月・前々月分は併せて11万9千人上方修正されました。新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大が世界中で懸念されている中、2月分以降のレジャー部門を中心としたサービス業の堅調な雇用者増が引き続き全体の雇用増をけん引しています。加えて、8月は政府部門雇用者数が24万人増と、1~6月の月平均5万9500人増から大きく上振れしたことも影響したものと思われます。
厳しすぎる世界の“脱炭素ロードマップ”その中身とは?注目のテクノロジーと関連銘柄を一挙紹介
2050年ネットゼロはいかに野心的なのか
「脱炭素」の実現に向けた取り組みは世界的に加速する見通しです。6月開催のG7サミット(主要7ヵ国首脳会議)の共同宣言には、2050年までのCO2ネットゼロ排出、各国の2030年目標へのコミットが盛り込まれました。11月に英国で開催されるCOP26(気候変動枠組み条約締約国会議)では、さらに具体的な取り組みが話し合われると予想されます。そのたたき台になると注目される報告書に、国際エネルギー機関(IEA)が5月に発表した「世界エネルギーセクターのための2050年ネットゼロ・ロードマップ」(以下、報告書)があります。世界で2050年までにエネルギー関連CO2排出量をネットゼロにするシナリオに沿った、エネルギー技術や投資、イノベーションなどに関する野心的かつ実行可能なロードマップです。
日経平均は「年内に3万円回復」、日本経済が直面している“節目”とは
米金利の低位安定で米国株は高値更新へ
7月の世界の株式市場で、株価は比較的堅調な推移をたど辿りました。米国では主要株価指数が再び最高値を更新し、欧州でも独DAX指数が高値を塗り替えました。6月の米FOMC(米連邦公開市場委員会)直後には、米国での金融引き締め前倒しに対する警戒感から、世界の株式市場が一時的な動揺を見せる場面もありました。しかし、それが必ずしも米FRB(連邦準備理事会)のコンセンサスではないことが判明すると、米金利は低位で安定し、株式市場も落ち着きを取り戻しました。低金利下での今後の着実な景気回復への期待が、株価をもう一段押し上げたかたちです。一方で、日本を中心とするアジアの株式市場は、経済再開の遅れなどを理由に冴えない展開となり、株価は欧米のパフォーマンスに見劣りした状態にあります。ただ、こうしたパフォーマンスのギャップが、いわゆる「ワクチン格差」の結果としての「景気格差」によるものならば、いずれ、その問題は解消に向かうと見込まれます。ワクチン接種は時間さえかければ、遅れを埋め合わせることは十分可能で、「経済再開」は世界中に広がっていくと予想されるためです。今のところ、米FRBは急激な金融引き締めを回避する
米国の消費拡大はコロナ禍の反動だけでなく長期的にも期待できるワケ
コト消費、高額消費に強い回復を期待
2021年1~3月期(1Q)の米実質GDP(確定値)は前期比年率6.4%増と、前2020年10~12月期の同4.3%増から伸びが加速しました。GDPの最大部分を占める個人消費は、同11.4%増と、1960年代以降で2番目に大きく伸長。ワクチン接種の進展や米政府による現金給付等の経済対策が寄与しました。他にも住宅投資は同13.1%増と二桁の伸びが継続し、若い世代による世帯形成やコロナ禍によるライフスタイルの変化等から住宅購入が増加しています。なお、米連邦住宅金融庁が発表した4月の全米住宅価格指数(季節調整済み)は前年同月比で15.7%上昇と、統計のある1991年以降最高の伸び率でした。
今年後半のドル円相場はどうなる?重要なのは9月以降の米雇用統計
米6月雇用統計はまちまちの結果で相場は乱高下
7月2日に米6月雇用統計が発表されました。まずは、その内容を確認していきましょう。
もう逃れられない「脱炭素」、G7サミットで再加速した削減目標と政策方針をまとめて紹介
SDGsの観点から「オリンピック開催」宣言にも注目
G7サミット(主要7ヵ国首脳会議)は6月11~13日、2年ぶりとなる対面方式で英国コーンウォールにて開催されました。その共同宣言では「自由や平等、人権の保護などの力を使って挑戦に打ち勝つ」とし、台湾の重要性や、新しいインフラ支援の枠組み創設など「対中国」で結束。国際協調を重視するバイデン米大統領が主導する形で、民主主義主導のG7が再起動しました。
日経平均が一時1000円超の大幅下落、FRBが金融正常化に舵でドル円は今後どうなる?
コロナショックとリーマンショックの違い
21世紀になり、為替市場は大きな2つの危機を経験しました。リーマンショックとコロナショックです。前者が急激な円高をもたらした一方、後者はそれほどでもありません。その違いはどこにあるのでしょうか。そして昨日、日経平均は終値で2万8,010円と、前営業日比953円安の大幅下落となりました。この値動きには様々な理由が考えられますが、世界の金融市場がコロナショック以前に戻ろうとしていることが大きな要因の一つでしょう。今回は、リーマンショックとコロナショックの違いを明らかにするとともに、今後、円高リスクはないのかを検証してみたいと思います。
金融引き締めへの過剰警戒は不要、市場参加者が想定する米国の金融正常化スケジュールは?
金融引き締めは「遅すぎず、早すぎず」、景気回復は「熱すぎず、冷たすぎず」
新型コロナウイルスのワクチン普及により、足元のグローバル経済は本格的な再開に向けて、歩みを進めようとしています。こうした動きを背景に、欧米の株式市場における相場展開は堅調そのものです。米国では、6月11日にS&P500が最高値を更新しました。欧州のSTOXX600も6月11日にかけて6日連続で最高値を更新しました。一般に投資家の不安心理や恐怖感を表すとされるVIX指数は、コロナショック前の水準にほぼ等しい15ポイント台半ば近辺で低空飛行を続けています。ワクチンの登場で新型コロナの収束に道筋がつけられ、相場の視界は晴れつつあるように思えます。
今年後半のドル円相場はどうなる?足元の“前のめり解消”相場から解説する
米5月雇用統計はまちまちでも心配無用の理由
6月4日(金)に発表された米5月雇用統計は、事業所調査による非農業部門雇用者数(以下 NFP)が前月比55.9万人増と、事前予想中心値の67.5万人増に比べて若干弱い内容となりました。前月・前々月分は併せて2.7万人上方修正されました。家計調査ベースでの労働力調査は前月比44.4万人増と、NFPとそれほど乖離はありません(と筆者は思っています)。詳しくは触れませんが、44.4万人の内訳は、男性4.5万人、女性39.8万人となっています。これは良い兆候ですね。米雇用統計調査週(12日を含む週)の米失業保険継続受給者数の差(受給者が5.1万人減少)から予想している筆者の今回のNFP予想は5万人~10万人増と、非常に弱い予想でしたが、大きくはずれました。次月・次々月には修正される速報値の、市場予想中心値との差で一喜一憂する必要はないと筆者は感じていますが、A.I.主導のマネーゲームの様相が強い昨今の為替相場は、指標発表の瞬間からドル急落、米国債利回り急低下となりました。それでは、今回も詳しく解説していきましょう。
“健康”は株価を上げる?上場企業に迫られる「健康経営」先行する48社を一挙紹介
2021年6月改訂「コーポレートガバナンス・コード」に含まれる新たな視点
新型コロナウイルス感染拡大につれて活用が広がったテレワークですが、在宅勤務が常態化する中で、運動不足やコミュニケーション不足による体調不良を訴える人も増えています。対応策として、オンラインでの社内ヨガ教室やオンライン・ウォーキング&ランニング大会など、気軽に参加できるイベントも開催されるようになってきました。従業員の健康は、会社経営をしていく上で欠かせない要素だとし、従業員の健康を保持・増進する取り組みを“将来的に企業の収益性を高める投資”と考えて戦略的に実践する手法を「健康経営」と呼んでいます。日本では大企業を中心に2009年頃から取り組む企業が増加しました。
金融正常化は株式相場「終わりの始まり」ではない、出遅れ日本株が欧米市場に追いつく時期は?
米インフレ懸念の高まりは経済好調の裏返し
5月前半の世界の株式市場は、想定外に大きめの調整に見舞われました。発端となったのは米国でのインフレ懸念の高まりです。4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回って着地すると、将来的な景気の過熱、ひいては金利上昇が意識され、一時的にリスクオフが進みました。日本や台湾など、一部のアジア市場では、そこに新型コロナの感染拡大の悪材料が加わり、株価調整の度合いがより大きくなったと解釈されます。アジアでの新型コロナ問題はともかくとして、米国株の波乱については伏線がありました。
円が最弱通貨になる!?FRBのハト派姿勢継続で為替相場に懸念されることとは
ポイントは国際商品市況
一般的に、政府と中央銀行は利害が時に一致しないことがあり、それ故に中央銀行の独立性が重要であるとされています。政治家は選挙目当てに目先の景気浮揚を求めがちである一方、中央銀行の使命は主に物価の安定です。政治が金融政策に介入すれば、物価安定が阻害されかねず、経済や金融の安定にとって長期的なリスクを引き起こす可能性がこれまで指摘されてきました。かつて、米連邦準備制度理事会(FRB)の第9代議長(1951~70年)を務めたウィリアム・マーティン氏は、「FRBの仕事はパーティーが佳境に入ったタイミングでパンチボウル(お酒の入った大きなボウル)を片付けること」と語ったという逸話が残っています。景気過熱による物価上昇を未然に防ぐことが中央銀行の使命という比喩であり、敢えて憎まれ役を買って出るというFRB議長としての矜持が感じられます。
米4月雇用統計の事前市場予想は大ハズレ、弱すぎる内容でも気にしなくてよい理由
何を根拠にしていたか分からない強過ぎる市場予想中心値に翻弄される
5月7日(金)に発表された米4月雇用統計は、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比26.6万人増と、事前予想中心値の100万人増に比べて極めて弱い内容となりました。前月・前月分も併せて7.8万人下方修正されたことも考慮すると、あまりにも弱過ぎると言っても過言ではない内容です。こうなると、予想自体がいったい何を根拠にしていたのか気になってしまいます。ふと思い出したのは、4月に発表された3月分の米雇用統計のことで、あの時は、事前予想よりもかなり強い内容だったこと、前月・前々月分も上昇修正されたことで、今回とは真逆の動きです。
「カーボンプライシング」は新たな貿易戦争の火種になる?日本政府の対応は
今年11月の「COP26」に注目
米政府が主催する「気候変動サミット」が4月22~23日に開催されました。会議に先立ち、主要国は2030年に向けた温室効果ガス(GHG)の排出削減目標を発表。日本は従来目標の2013年度比26%減から46%減へと7割以上引き上げる方針を決定し、米国は2005年比50~52%減らすと表明しました。今年の11月には、地球温暖化を抑制できるかを決定付けるイベントが、英グラスゴーで開催されます。コロナ禍の影響で約1年延期された「第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)」です。世界各国の閣僚が集まり、「カーボンプライシング」などの重要課題で合意を目指す見通しです。