はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。

毎⽉の家計から貯蓄することができず、ボーナスも年間でかかる学費などでなくなってしまい、貯金を増やすことができません。長男が来年から受験生になり、大学費用も今後大きくかかるので不安です。家計の中で削減できるポイントはありますか。また、自分の老後資金を貯めていくにはiDeCoを利用した方が良いのでしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・女性、50歳、子ども2人(長男17歳、長女14歳)
・職業:会社員
・手取り世帯月収:30万円
・手取り年間ボーナス:150万円
・預貯金:100万円
・有価証券(投資信託・株・債権):500万円
・学資保険:300万円
・退職金の予定なし


【支出の内訳(29.5万円)】
・住居費:8万円(持ち家・ローン残期間20年)
・保険:2万円(収入保障、医療、学資など)
・教養費:3万円(学費、習い事)
・通信費:2万円(携帯3台・自宅回線)
・食費:7万円(外食含む)
・水道光熱費:1万円
・日用品:0.5万円
・趣味・娯楽:0.5万円
・衣料・美容:1万円
・健康・医療:0.5万円
・交通費:0.5万円 
・交際費:0.5万円
・不明:3万円


FP: ご相談ありがとうございます。mirai talkファイナンシャルプランナーの秋山です。進学が近いお子様を抱えていると、家計のやりくりが大変ですね。比較的がんばっていらっしゃる印象ですが、家計の詳細を見てみましょう。

使途不明金は1万円程度に抑えて

家計はやや黒字という状況で、悪くはないと思います。ただ、お金をこれからもっと貯めたいと思うのであれば、支出を削減しないと難しいですね。もう切り詰めるところはないと思っていても、工夫をすれば少しずつ削減できますので、取り組んでみましょう。

家計簿をつけていないそうですが、支出の把握は十分でしょうか。毎月、どのようなものにいくら使っているのかがきちんとわかってくると、支出削減のヒントになります。特に、使途不明金が出るのは仕方がないことですが、金額が少し大きいようです。もう少し、支出の状況を把握し、使途不明金は1万円程度に抑えたいですね。

支出は消費・浪費・投資に分けて

おそらく、家計全体は大体で把握しているのだと思います。働きながらの家計簿記入は大変ですが、今一度、支出の把握に努めてみましょう。

買い物のレシートをとっておき、週末にまとめてつけるなどの工夫をすると楽になります。また、削減できるポイントを見つけるために、レシートを費目ではなく、「消費」「浪費」「投資」という支出の意味で分けてみることも有効です。記録が簡単になりますし、浪費と思える支出を減らす意識が高まるだけで、支出の仕方が自然と変わってくるでしょう。

今までの“当たり前”の支出を疑って

また、支出削減につながる、もう一つの方法も試してみてください。それは、今まで当たり前にかかると思っていた支出が、本当に仕方がないものなのかを検証する方法です。

支出は一度、「これで節約は精一杯」と思い込んでしまうと、「これだけかかるのは仕方がない」と思ってしまいます。ですが、時が経って少しゆとりができてくると、削減できる部分が見つかるかもしれません。

たとえば食費です。本当に7万円かかるのかを再検討して下さい。無駄にしている食材はないか、作りすぎて捨ててしまっているものはないか、今一度見直しをしてみましょう。

また、通信料を下げるために、スマートフォンを格安なものに変えてみましょう。特に、お子さんはSNSなどの利用が主となり、通話が少ないことが多いと思います。そうなると、契約内容はデータ通信のみで良いかもしれません。もしくは、1契約2,000円程度の音声付SIMの契約でも良いかもしれません。そうすると、5,000円ほど支出が減りそうです。

このように、支出を一つ一つ見直していくと改善効果が上がりやすいと思います。

NISA、iDeCoだけじゃない?自分に合った資産形成のはじめの一歩をお金のプロが無料サポート![by MoneyForward]