はじめに
「外貨建て」「変額保険」よりもiDeCo、NISAを利用した方がいい!
個人年金保険で、円建てではなく「外貨建て」「変額保険」というのがあります。
外貨建て保険は、円よりも利率がよくなりますが、為替によって大きく影響を受けます。受け取る時に円安で増えればいいのですが、円高になっていると払い込んだ保険料の総額よりも少なくなる可能性もあります。
「変額保険」というのも、株式や債券などの投資信託で運用をします。保険の機能もあるので、全額は運用に回りません。
さらに手数料も余計にかかってしまいます。ということは、NISAなどで運用をする方が、税制優遇もあって効率がいいということになります。
ですので、老後資金を準備したいと考えるなら、税制優遇がもっとも大きい「iDeCo」、その次に検討したいのが「つみたてNISA」。それぞれの限度額いっぱいまで利用した次に、検討するのが「個人年金保険」の順番でしょう。
個人年金保険と税金の関係
それでは、次に現在個人年金保険に加入していてもうすぐ満期という人は、どうなのでしょうか?
たぶん、もう10年、20年、30年前に契約をしている人だと思います。とくに30年以上前に加入した人は、予定利率もよかったので、大きく増えていると思います。さらに受取りの条件もよい場合があります。
じつは、私も個人年金保険に契約をしていました。予定利率は3.75%です。いわゆるお宝保険ですね。受取の条件は、一時金または終身年金です。私の場合は、迷わず終身年金にしました。
いまは長寿の確率が高いですし、終身で年金を受け取れるというのは安心感があります。
しかし、受取の税金のことが心配になる人もいるでしょう。たしかに保険金を受け取ると税金がかかります(ちなみに死亡保険金とか入院給付金には税金はかかりません)。
個人年金保険の毎年受け取る年金は、雑所得として所得税・住民税の対象となります。
雑所得の計算は次のとおりです。
総収入(年金額)−必要経費(払込保険料の年金額に対応する金額)=雑所得
この必要経費の計算は、とてもややこしいので省略します。基本は保険会社で計算した案内が届きます。また、一括で受け取った場合には、一時所得として所得税・住民税の課税対象となります。
ところが、年金の契約者が夫で被保険者と年金の受取人だった場合は、雑所得ではなく、贈与税になります。税金の計算がちょっと変わってきますので、注意してください。
また、年金の受取人が受け取っている途中で死亡した場合、その契約者、被保険者、受取人の契約の仕方で、相続税だったり、贈与税、雑所得になったりします。
一括で受け取った場合も同じで、相続税、贈与税、一時所得となります。
ちなみに、まだ20年未満の契約で、予定利率が低い個人年金保険の場合は、増えている金額も少ないので、課税される金額も少なくなります。あまり気にしなくてもいいかも知れません。