テレワークは非効率?継続でも伸びる企業・伸びない企業
IT資本装備率を上げよ
今回の新型コロナウイルスで私たちの生活の多くが変わりましたが、中でも大きく変わった(変わろうとしている)のは働き方でしょう。「在宅勤務」や「テレワーク」「リモートワーク」といった言葉を目にしない日がありません。「在宅」を標準とする動きが企業で急速に広がりつつあります。
「人類はコロナに勝てる」未収束でも株価が上がる2つの理由
今の株高はバブル?
世界各国で起きた新型コロナウイルスによる株価暴落は大きく値を戻しました。日経平均は6月23日時点で2万2,549円と暴落前の90%ほどまで回復しています。一時は1万6,000円台まで下落しましたから、そこからすると40%ほど値上がりしたことになります。日本以外の各国、特に先進国の株価指数は大きく値を戻しています。中でも際立つのが米国のナスダック総合指数で、23日時点で1万0,131ポイントと暴落前の株価を上回って1万ポイント台をつけ、史上最高値を更新しています。感染拡大の第二波への警戒も残り、まだまだ経済への悪影響も大きいとみられるなか、なぜこんなにも株価は戻しているのでしょうか?果たして今はいわゆる「バブル」なのでしょうか?
「コロナバブルだからいずれ下がる」が大間違いの理由
株価は何を反映しているのか
先週発表された5月の米雇用統計は予想外の改善を見せました。これを好感した株式市場は上昇に弾みがつきナスダック総合は史上最高値を更新しました。日経平均も2万3000円の大台を回復しました。コロナで急落する前の2月21日終値は2万3,386円ですが、「コロナ前」をもっと長く見れば日経平均は2万3000円~2万4000円のレンジで推移していました。その意味では2万3000円の大台回復なら、ほぼ「コロナ前」に戻ったと言えるでしょう。
バフェットの保有銘柄、コロナ後もウェイトが大きいのは?
「投資の神様」が率直に認めた間違い
新型コロナウイルスの影響で世界的に株価が暴落しましたが、足元はどんどん値を戻しています。一時は1万6,000円台まで下落した日経平均も5月27日時点で2万1,419円まで回復しました。株価回復の要因は先進各国で新型コロナウイルスの感染者がピークアウトし、徐々に収束への道筋が見えてきたことはもちろん、各国政府および中央銀行が史上最大規模の財政出動や金融緩和を行ったことが大きく影響していると考えられます。これらの財政金融政策が景気を早期に回復させるのではという期待に加えて、行き場を求めたマネーが株式市場に流れ込んでいるのでしょう。さて読者の投資家の皆様は、今回の株価暴落またその後の株価反発を受け、どのように行動されたでしょうか?うまく成果を出せた方も残念ながらそうではない方も、ほかの投資家がどのように行動したのか気になりませんか?今回のコラムでは、あの伝説の投資家がどう行動したのかをご紹介します。
「アフターコロナ」で元に戻るもの、戻らないものを分けるキーワード
コロナショックを生産性向上のチャンスに
株価が順調に戻り歩調をたどっています。米国のハイテク株主体のナスダック総合指数は年初来でプラスに浮上しました。相対的に出遅れているわが国の株式市場でも今週初め日経平均は、高値から3月の急落でつけた安値までの下げ幅に対する半値戻しを達成しました。相場格言では「半値戻しは全値戻し」と言います。下げ幅の半分を取り戻すことができれば、すべて取り戻す目途が立ったという意味です。ここまで来れば危機的状況は脱したと言えるでしょう。市場では一時の総悲観的なムードは薄れ、経済再開に対する期待が高まっているように感じられます。海外では段階的に外出制限などが緩和されています。また、わが国でも新たな感染者の減少傾向が続く特定警戒都道府県の一部の県と、それ以外の34県の多くを対象に、今月末の期限を待たずに緊急事態宣言の解除が検討されています(本稿執筆時点ではまだ未確定)。ようやく「コロナ後」に目を向ける環境が整ってきたと言えるでしょう。
最新決算から見えてきた「新型コロナ」の経済的インパクト
厳しい中に希望も?
新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時1万6,000円台半ばまで下落した日経平均株価ですが、4月13日時点で1万9,043円と、安値からは2,500円ほど値を戻しました。中国がいったん感染拡大の封じ込めに成功したように見えることや、欧州でもロックダウンなどの処置により徐々に感染拡大ペースが鈍化してきていることが、リバウンドを誘ったのだとみられます。もちろん、このまま世界的に感染が収束することが望まれるものの、東京や大阪、福岡などで感染者数が増加したことで、緊急事態宣言が出されるなど予断を許さない状況です。今回の問題がいつどのような形で収束するのか、最終的に経済にどの程度影響するのか予想するのは非常に困難ですが、企業の決算発表などから見えてきた現段階の影響を紹介します。
「コロナショック」がリーマン時と決定的に異なる理由
「見えない敵」ではあるが…
今回のコロナショックを2008年のリーマンショックと比較する例が増えています。株価下落の大きさやVIXの跳ね上がり方など、いずれもリーマンショックに並ぶか、またはそれを超えるような衝撃です。マーケットで起きたイベントも同様です。前回の金融危機ではリーマン・ブラザーズ破綻を引き金とする市場の大混乱に先行する格好で、割安な銘柄が一段と売り込まれ、割高な銘柄が一段と買われた、いわゆる「クオンツショック」というものが起きました。多くのファンドが統計的にはありえないほどの損失を被りました。サブプライムローン問題の余波で、当時最大手のヘッジファンドのひとつだったゴールドマン・サックスの「グローバル・アルファ」が解約に迫られてポジションをアンワインド(巻き戻し)したことが発端でした。今回もまた、3月半ばには異様な値動きをする銘柄が多く見られましたが、やはり世界最大級のヘッジファンドのアンワインドが発端ではないかと見られています。
個人投資家は「コロナショック」にどのように向き合うべきか
株価反発のための3条件とは?
世界的に株価が暴落しました。2月12日にNYダウ平均は終値で2万9,551ドルと史上最高値をつけました。そこからわずか1ヵ月、ダウ平均は3月16日時点で2万0,188ドルと30%超下落しました。2万4,000円近くあった日経平均株価も、16日時点で1万7,002円とほぼ同じように下げています。この下げ方はリーマン・ショックを彷彿とさせる、とてつもないペースでの株価下落です。今、株式市場や世界経済、日本経済に何が起きているのでしょうか。
コロナショックの世界株安は「ミスプライス」である可能性が高い理由
株価急落の真因を探る
前回の2月8日配信記事では、「新型コロナウイルスが市場に与える影響もピークアウトが近いのではないか」と述べました。しかし、とんだ見当違いでした。ピークアウトが近いと考えた理由は、感染が拡大する中、米国株が高値を目指す値動きとなっていたからです。実際、S&P500はその後も上昇を続け、2月第3週の半ばには史上最高値を更新しています。ところがその直後から急に崩れ始め、足元の大暴落へとつながりました。2月第4週のNYダウ平均は3,600ドル近くも急落。史上最大の下げ幅を記録しました。前の週には史上最高値、翌週には史上最大の下げ幅と、あまりに展開が急です。相場の予想は難しいと改めて思いますが、その一方で今回の大幅な株安も過去の急落局面と共通する動きを指摘することができます。それは、あることをきっかけに、ひとたび相場が大きく崩れると、そこから先はそもそも下げの要因となったこととは関係なしに「株価そのもの」が材料になる点です。
三越伊勢丹とノース・フェイス、最新決算から「消費増税」の影響を読み解く
何が明暗を分けたのか
2月17日、目を疑うような数字が飛び込んできました。2019年10~12月のGDP(国内総生産)速報値が前期比年率換算6.3%減と大幅なマイナス成長となったのです。市場ではマイナス3%台の予想でしたので、予想をはるかに上回る悪さでした。これはやはり、消費増税の影響が非常に大きいということでしょう。さらにご存じの通り、現在、日本や中国など世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大しています。外国人観光客の大幅な減少や大型イベントの自粛などが消費減退につながり、日本経済にとって深刻なダメージを与えそうです。もちろん、いちばん大切なのは人命ですし、早く事態が収束することを願うばかりです。
狙い目は“二番底”?「新型肺炎」に学ぶ「ブラック・スワン」への向き合い方
リスクをとって暴落を買うべし
新型コロナウイルスによる肺炎の拡大は「ブラック・スワン」だとよく言われます。「ブラック・スワン」とはナシーム・ニコラス・タレブ氏の著書で一躍有名になった言葉で、「起きる確率は非常に低いが、万が一発生した場合、甚大な被害をもたらす事象」のことです。別名「テールリスク」とも言われます。テールとは確率分布のグラフの「裾野」のことで、たとえば正規分布のグラフ(釣鐘型のベルカーブ)の端っこのほう、つまりごく小さい確率でしか起きないリスクのことです。年末年始には「2020年大予測」という企画がさまざまなメディアで報じられましたが、その中で「新型肺炎」を予測したものはありませんでした。まったくの「想定外」のことで、まさに「ブラック・スワン」だと言えるでしょう。問題は「ブラック・スワン」に遭遇した時の対処です。まずは様子を見るというのが賢明でしょう。実際、感染の拡大はいつ終息するのか見通しが立たず、経済や企業業績への影響もつかみきれないからです。ですが、いつまでも指をくわえているばかりではいけません。「危機は好機(リスクはチャンス)」でもあります。結論から言えば、今回もまたこの「ブラック・スワン」でリ
ドラッグストアとアパレルで明暗、小売業界の最新決算をどう解読すべき?
全体としては小幅な増収増益
12月下旬から1月半ばにかけて、小売企業を中心とした2019年9~11月期の決算発表が行われました。2月期決算が多いこれらの企業の今期業績の着地を見極め、来期の動向を探るうえで、9~11月期は非常に多くの示唆を含んでいるといえます。そこで今回は、小売企業全般の業績動向に加えて、業績が非常に好調な業種や銘柄、逆に不調な業種や銘柄を分析。優待銘柄として個人投資家にも人気の銘柄が多い小売業界の先行きについて、考えてみたいと思います。
「米国とイランの対立が早晩収束する」と金融市場が考える根本理由
市場関係者のメインシナリオとは?
令和になって初めて迎えた新年。今年2020年はオリンピックイヤーでもあります。例年よりも明るい気持ちで今年のお正月を迎えた方も多かったのではないでしょうか。そんな国内の平和なムードを吹き飛ばすようなニュースが外電で伝わったのは、まだおとそ気分も抜けない1月3日のことでした。アメリカ軍が、イラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官を、イラクの首都バグダッドで無人機攻撃によって殺害したのです。これにより、米国とイランの軍事的衝突の可能性が一気に高まりました。中東情勢の緊迫化を受けて原油価格は急上昇。安全資産とされる金および米国債に資金が逃避し、長期金利が低下、リスク回避の円高も誘発されています。こういう状況では日本株相場も売り圧力が強まるのは免れず、大発会の日経平均株価は451円安と急落しました。翌7日は米国株市場の反発、為替や原油相場の落ち着きを背景に大きく反発したものの、8日は複数の米メディアで「イランが米軍の駐留するイラクの基地を攻撃した」と伝わり、全面安の展開になりました。本稿執筆時点(8日午前10時)では、日経平均の下げ幅は600円に迫ろうとしています。年初から波乱の幕開けとなっ
2019年に株価が上昇・下落した銘柄ランキングTOP10
「いきなり!ステーキ」はどうだった?
早いもので、あと2週間足らずで2019年も終わろうとしています。今年の金融マーケットは最初から最後まで米中の貿易戦争に振り回されました。少し今年の出来事や株価の動きを振り返ってみましょう。昨年から米中の対立に伴う関税引き上げの影響が顕在化し、その影響を恐れたマーケットは昨年末に世界同時株安に見舞われました。ほぼ2万円ちょうど辺りからスタートした日経平均株価は徐々に値を戻し、4月末時点では2万2,000円近くまで回復しました。日本は10連休に入ったわけですが、10連休の終盤に突如ドナルド・トランプ大統領が中国に対して再び追加関税をかけると表明し、マーケットは混乱しました。再び日経平均は2万円台まで調整し、夏場にかけて低空飛行が続きました。秋口以降は米中の交渉が徐々に進展しているとの期待感から、株価は上昇。12月に入って日経平均は年初来高値を更新し、2万4,000円台を回復しました。一時は米国や中国だけでなく世界的に景気が鈍化する兆しを見せるなど不安感が高まった時期もありましたが、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)が金融緩和に動くなどしたため、景気は
「VIXショック」にソックリ?株式相場は再び急落してしまうのか
月初の楽観ムードはどこへやら
師走相場は日経平均株価の年初来高値更新で始まりました。米国の年末商戦が好調と伝わったことや中国の景況感の回復など、買い材料に恵まれました。市場の一部では早くも「サンタクロース・ラリーが始まった」などという声も聞かれました。しかし、そんな矢先、楽観ムードは一瞬にして吹き飛びました。米国のドナルド・トランプ大統領がブラジルやアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課す考えを示したのです。これを受けて米国株が大幅安となり、12月3日の東京株式市場でも売りが先行しました。
投資初級者が見落としがち、「減益決算なのに株価上昇」のカラクリ
景気敏感株・コマツの最新決算から考える
10月下旬から11月中旬にかけて、日本企業の2019年7~9月期決算が発表されました。全体としては厳しい内容でしたが、業種別に見ると“まだら模様”の様相でした。一般的に、業績が芳しくなければ、その後の株価の動きも冴えない展開になりがち。しかし、11月に入ってからの日経平均株価は2万3,000円台を回復し、年初来高値を更新しています。いったい、どんなカラクリが潜んでいるのでしょうか。景気敏感株の代名詞である小松製作所(コマツ、証券コード:6301)を例に、考えてみます。
日経平均が2万3000円台を回復、「2016年末ラリー」の再来は期待できるか
バブル後最高値も視野に入る?
今週、日経平均株価は昨年10月以来となる2万3,000円の大台を回復しました。その背景として、いちばんわかりやすい説明は、長く相場の重石となってきた米国と中国の対立に、緩和の兆しが出てきたことでしょう。トランプ政権が対中制裁関税の一部を撤回することを検討していると英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版が報じました。ウィルバー・ロス米商務長官が先週末、中国の通信大手の華為技術(ファーウェイ)への事実上の禁輸措置の一部解禁が近いと示唆した、とも伝わりました。また、米中が10月に暫定合意した貿易協議の調印場所については「トランプ米大統領が米アイオワ州を考えていると述べた」との米紙の報道もありました。報道ベースなので、どこまで信憑性があるかはわかりませんが、市場はこれらのニュースをポジティブに受け止め、リスクオンの地合いに傾いたようです。ただ、米中対立の緊張緩和以外にも株高の要因があると考えます。それはやはりファンダメンタルズです。
セブンとイオン、6~8月期の増益決算は本当に“好調の証し”なのか
小売り2強の最新決算を分析
9月下旬から10月半ばにかけて、小売り企業を中心に6~8月期の決算発表が行われました。小売り企業の多くは2月期決算を採用しており、6~8月期は1年のちょうど折り返しに当たります。そこで今回は、小売り企業全般の業績動向に加えて、小売り銘柄の中でも特に注目度の高いセブン&アイホールディングス(証券コード:3382)とイオン(8267)の注目ポイントについてご紹介します。