加熱するスポーツビジネス、虐待から子どもを守れるか
日本は加害者の処罰が異様に少ない?(後編)
7月下旬に公表された、国際人権団体・ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の調査報告書『数え切れないほどたたかれて』。本調査は、スポーツ指導の場で半数以上が子ども時代に暴力を受けていたことなど、日本におけるスポーツ教育の場での暴力・虐待の実態を明らかにしました。調査に協力した団体、国際的なスポーツ選手の労働組合「World Players Association/世界選手会」の理事で、スポーツ選手の権利保護に詳しい山崎卓也弁護士に、前編に引き続き、日本はどう対策すべきか、また子どもをスポーツエリートにすることの本質的な問題について聞きました。
スポーツ指導で半数以上が子どもの時に暴力を経験、暴力・セクハラを防ぐためには?
日本は加害者の処罰が異様に少ない?(前編)
7月下旬、来夏に延期された東京オリンピック・パラリンピック開幕1年を前に、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が『数え切れないほどたたかれて』と題する調査報告書を発表しました。今年1月から6月、オリンピック・パラリンピック経験者を含めた現役および引退したスポーツ選手約800人(少なくとも50競技)にインタビューやオンラインアンケートを実施。日本におけるスポーツ指導の場での子どもに対する虐待の実態を明らかにしました。"スポーツの秋"を控え、調査に協力した、スポーツ選手の国際的な労働組合「World Players Association/世界選手会」の理事である山崎卓也弁護士に、改めて現状と解決策、さらにこれらの問題とスポーツビジネスとの関係について伺いました。
飲みすぎる家族にどう注意する?危険な“グレーゾーン飲酒”が増加、自粛中の「家飲み新ルール」
流行りの家飲みで本当に注意すべきこと
コロナ禍での自粛要請に伴い、家にいることが多くなった働く人たちの間で“家飲み”が増えています。コンビニ・スーパーの酒類売上も増加。特に、手軽に飲めるビールの売り上げは、3月3週には前週比10.9%増を記録(酒類飲料日報2020年3月31日付、食品産業新聞社調べ)し、中には「ビールが通常の5倍も売れている」店舗もあるといいます。しかし、楽しく飲んでいるうちに飲酒量が増え、気づけば、アルコール依存症の一歩手前の“グレーゾーン飲酒”にはまるということも。依存症に詳しい国立精神・神経医療保健センター・薬物依存研究部部長の松本俊彦先生に、正しい家飲みの方法についてオンライン取材でお話を伺いました。
「お金ではできないこと」って? 地域通貨の“お金以外”の使い道
地域通貨に新たな役割、「まちのコイン」実証実験
2019年11月27日から12月18日までの期間、神奈川県・鎌倉市で地域通貨「まちのコイン」を使った、「SDGsつながりポイント」の実証実験が行われました。SDGsとは国連で採択された、持続可能な開発を実現するために国際社会が取り組むべき17の目標のこと。まちのコインは、面白法人カヤック(本社・鎌倉市)が開発した地域通貨です。神奈川県がSDGsの実現のためにポイントシステムを使おうと考え、まちのコインを採用して行ったのが、今回の実証実験です。特に興味深いのは、まちのコインは通貨とはいえ、地域の人と人との「つながりづくり」のために使う“コミュニティー通貨”として位置付けられている点です。単純にお金の代わりをするのではなく、換金もできません。いわゆる地域の内需拡大を目指すものとは少々趣きが異なります。では、いったい何なのか。実証実験を担ったカヤックのグループ戦略担当執行役員の佐藤純一さんに、まちのコインの狙いを伺いました。カヤックのグループ戦略担当執行役員の佐藤純一さん
なぜ男性ホルモン「テストステロン」は減少する?年齢よりも他人の存在が影響
数値を高く維持する意外な方法
男性ホルモン「テストステロン」は、長寿など身体への影響はもちろん、「やる気」といった精神の健康に非常に強く影響を与えています。実際、うつ病と判断された人の7割にテストステロン値の低下が見られます。男性更年期に関する専門家である順天堂大学泌尿器科の堀江重郎教授に、(前編)に引き続き、さらに具体的に「なぜテストステロンは減少するのか」「どうすれば高く維持できるのか」を伺います。
やる気が出ないのはテストステロン不足のせい? “仕事力”と男性更年期
男女ともに重要な男性ホルモンを知ろう
男性ホルモン「テストステロン」の急激な減少は、男性更年期に代表される様々な病気を引き起こすだけでなく、“仕事力”にも大きく影響します。そこで、テストステロンに対する理解とテストステロン不足への正しい対処法を、メンズヘルスの第一人者である順天堂大学泌尿器科の堀江重郎教授に教えていただきました。テストステロンは女性にも大いに関係のあるホルモン、男性のみならず女性も必見です。
SNSで自慢する人より自慢しない人の方が危険?承認欲求の呪縛とは
「承認欲求なんてない」という人ほど注意
誰もが心に抱く「認められたい」という承認欲求は、様々な形で私たちを強力に支配しています。「出世したい」という欲望や単純に自分の才能をアピールしたいという自己顕示欲だけではありません。集団の中で孤立したくないという気持ちも“承認欲求の呪縛”のなせるわざです。どうすれば、この呪縛を解くことができるのか。前編に引き続き、承認欲求について研究している、同志社大学の太田肇教授にお話をうかがいます。
誰もがはまる「承認欲求の呪縛」から逃れるには?
バイトテロも公文書改ざんも…すべては認められたいから起きる
アルバイト店員の幼稚な"目立とう精神"によるバイトテロと、エリート官僚の"忖度と隠ぺい"による公文書改ざん。一見、全く質の違う出来事のように見えて、結局は両者とも「認められたい」という気持ちのこじれから起きている――。大企業やスポーツ界で頻発するパワハラや不祥事、学校のいじめ、家庭での虐待、引きこもり、過労死などの社会問題も同じ。さらには有力スポーツ選手の突然のスランプまで。これらはすべて人間の抱えるやっかいな感情、承認欲求の負の側面の表れではないか。そう考える、組織と承認欲求に関する研究者で『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書)の著者、同志社大学・政策学部の太田肇教授にお話をうかがいました。
参院選前に何をどう見る?やさしい国会の見方
「前回までのあらすじ」とルールを知れば、 国会審議は誰にでもわかる
連休明けから後半国会が始まり、連日、重要法案に関する国会審議が開かれています。会期は6月26日まで。特に今国会は終了後すぐに参議院選挙をひかえています。景気が不透明さを増す中、10月に予定されている消費増税は本当に行われる流れになるのか。政治・経済の将来を占う後半国会の行方は、いつも以上に注視したいところでしょう。一方で、近年、人々が政治への関心を失い、国会の評価も下がっていることが一部の意識調査で指摘されています。確かに、ただでさえ政治の話題や言葉は難しくわかりにくいので関心が低くなりがちです。また、現在、政権と与党は意見一致で一枚岩のため「国会は結果が決まっている試合のようで退屈」といった意見も聞かれます。しかし、本当に国会は難しくて理解できない、退屈なものなのでしょうか。そこで、まずは後半国会の現状把握のために状況をまとめつつ、国会を可視化する活動を展開する「国会パブリックビューイング」代表の法政大学・上西充子教授に“難しい国会審議をやさしく見るコツ”を教えていただきました。
あなたが「戦後最長の景気回復」を実感できない根本原因
素人にもわかる景気のカラクリ
「戦後最長の景気回復」――。政府は1月29日、国内景気に関して華々しい報告と見解を示しました。景気回復の長さが6年2ヵ月まで持続。これまでの最長記録「いざなみ景気」を超えたとみられたからです。一方でここへ来て、景気動向指数や月例経済報告などの景況判断は下方修正が続いています。「戦後最長の好景気は幻だったのではないか」という指摘も出てきています。直近の世論調査(共同通信、3月10日発表)でも、8割が景気回復の「実感がない」と回答。経済政策の基準となる給与などの労働統計に不正が発覚したこともあり、景気に対する政府の見解に一般庶民のモヤモヤ感は増しています。そこで、『アベノミクスによろしく』などの著書がある明石順平弁護士に、現在の景気と経済状況に対する見解を聞きました。
150作品を無料配信、「ジャンプ」×「マガジン」共闘の胸の内
「ワンピース」「進撃の巨人」も対象に
マンガファンには夢のような、少年マンガの展開さながらの“共闘”です。集英社と講談社は4月8日、「週刊少年ジャンプ」「週刊少年マガジン」に掲載中の作品を中心とした約150タイトルのマンガを無料で読めるウェブサイト「ジャンマガ学園」をオープンしました。両誌によるこうした共同プロジェクトは今回が初めて。長年の2大ライバル誌がタッグを組んだ形です。いったいなぜ、両誌はこんな取り組みを始めたのでしょうか。
8年で資産13倍?「買うべき株を提案するAI」の実力
将棋AIベンチャーと日興証券がタッグ
卵を1つのカゴに盛るな――。失敗しにくい投資の鉄則として勧められることの多い「分散投資」の必要性を訴えた相場格言です。しかし、投資初心者が複数の銘柄に分散して投資するのは至難の業。それなりの資金量が必要ですし、投資に関する最低限の知識も欠かせません。“投資のプロ”に運用を任せる「投資信託」をコツコツ購入するのも一法ですが、任せきりだと投資に関する知識やノウハウが身に付きにくい面も否めません。そんなジレンマを解消してくれるかもしれない新サービスを、SMBC日興証券が3月29日にスタートさせました。このサービスの指南役は、最近流行りのAI(人工知能)。日興証券によると、AIを活用した個人向けの投資情報サービスは日本初だといいます。AIが指南する投資家向けサービスとは、どんなものなのでしょうか。実際に体験してみました。
全面的にうんこ推し!「うんこミュージアム」を体験してみた
究極の“ウンターテイメント”がここに
横浜駅直結のビルに3月15日にオープンした「うんこミュージアム YOKOHAMA」。ホームページにはこう書いてあります。「これまでの固定概念を水に流すこの場所で、うんこを見て、触って、撮って、遊んで、究極の“ウンターテイメント”をお楽しみください」いや、ちょっと待て。触りたくはない。でも、めちゃくちゃ気になる。というわけで、内覧会でその中身を確かめてきました。
人間をお金から解放するためにできること
eumo・新井和宏さんのお金の定義(後編)
独自の仮想通貨によって一つの経済圏を作り、人をお金から解放する――――。そう語るのは、昨年仮想通貨を通じてソーシャル・ベンチャーを支援する投資事業会社「eumo」を設立したばかりの新井和宏さん(前・鎌倉投信ファンドマネジャー)。とはいえ、仮想通貨を使うことに本当に問題点はないのか? と思う人も多いのではないでしょうか。「仮想通貨を気持ち悪いと思ってしまう理由」や「地域通貨がなぜ成功しないのか?」……前編に引き続き、“お金の本質”ついて、さらに詳細をお聞きします。
お金に善悪はない。でも、違和感がつきまとう理由
eumo・新井和宏さんのお金の定義(前編)
新井和宏さんは、鎌倉投信の創業者かつ運用責任者(ファンドマネジャー)としてよく知られてきました。鎌倉投信といえば、利益偏重と言われがちな金融業界で企業の社会性を重視。独自の基準で選んだ “いい会社”に投資する姿勢で多くの支持を得ています。しかし、新井さんは、このほど同社を退社。新たに投資事業会社「eumo(ユーモ)」を設立しました。eumoでは仮想通貨技術を通じたコミュニティー通貨の普及推進や社会問題に取り組むベンチャー企業(ソーシャル・ベンチャー)を支援するとのこと。新井さんのeumoにおける“新しい金融構想”から、「そもそもお金とは?」「仮想通貨はなぜ気持ち悪い?」「未来のお金はどうなる?」といったお金の疑問や定義について金融マンとしての考えを伺いました。
“後発携帯キャリア”楽天の三木谷社長が自信満々のワケ
都内のマル秘施設に潜入取材
都内某所。二子玉川ライズに壮大な本社ビルを構える楽天の関連施設とは思えないほど、何の変哲もないビルの中に、お目当ての施設がありました。今年10月からの“第4の携帯キャリア”としてサービスを開始する、楽天グループの楽天モバイルネットワーク。同社が2月20日に公開したこのビルの中には、最後発から巻き返しを狙うための秘密兵器が配備されているのです。現在、料金もサービスも画一化している携帯業界。楽天の参入によって新たな競争が生まれ、ユーザーにとって、より安く、より使いやすい環境が整うのでしょうか。グループの総帥、三木谷浩史・会長兼社長も出席した内覧会から、巻き返し戦略を解き明かしてみます。
2体で59万円、カワイイ多頭飼いロボ「ラボット」は“買い”か
「ペッパー」開発者が込めた思いは?
名前を呼んだらもちろんのこと、相手を見つけるとスッと自ら近寄り見つめてくる。こちらも思わず、じっと見つめ返すと、それに反応するように、今度はパタパタと羽のような両手を上下させ「抱っこ」をねだる――。「人が何をかわいいと感じるか」を最も重視して開発された家庭用ロボット「LOVOT(ラボット)」が、2019年秋に発売されることになりました。開発を手掛けたのは、ロボット開発ベンチャーのGROOVE X(グルーブエックス)。ソフトバンクで「Pepper(ペッパー)」の開発に携わった林要氏が代表を務める会社です。起業から3年。ペッパーで成しえなかったどんな思いが、ラボットには込められているのでしょうか。12月18日に開催された製品発表会の内容を掘り下げてみます。
「低所得・低学力の子どもは怠け者」のウソ
大学に行きたい子どもとそれを"望めない"親
NP0「キッズドア」は、生活困窮世帯を対象に親の年収差が招く教育格差の背景を調査。調査を受けて、渡辺由美子・キッズドア理事長は食料を買うのにも苦労する家庭が少なくないこと、低所得・低学力の家庭の子どもも関わり次第で中退が減ることなどを指摘しました。前編「大学生を見たことがない」子どもたち…日本が抱える貧困問題」引き続き、渡辺理事長にお話を伺います。