Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
“投資の神様”バフェットは今、何を買っているのか?
バークシャー昨年末の保有ポートフォリオ公開
投資の神様「ウォーレン・バフェット」の名前を聞いたことがある方は多いでしょう。バフェット氏は1930年生まれで御年90歳にして現役バリバリの投資家であり、バークシャー・ハサウェイという超巨大上場企業の経営者でもあります。筆者は5年ほど前にバークシャーの株主総会に参加した際に、たまたま目の前をバフェット氏が歩いているのを目撃する幸運に恵まれました。その際、あまりの歩くスピードの速さに追いかけられなかったことを覚えています。そんなバフェット氏が世界中で尊敬を集めているのにはたくさんの理由があります。例えば彼は社会貢献に非常に積極的なことで知られており、彼はその資産のほとんどを慈善団体に寄付することを表明しています。また、経済危機やマーケットが暴落した際などに投資家を勇気付けるウィットに富んだコメントを発信することもよくあります。しかし、なんといっても彼が尊敬される1番の理由は、凄まじい投資成績を長期的にあげ続けていることです。そのバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが今どんな銘柄に投資しているか興味がありませんか?バークシャーは2月半ばに、昨年12月末時点の米国株への保有ポートフォ
1都3県はまだ緊急事態宣言下…延長にかかる国民一人あたりの負担金額は?
リバウンド阻止を理由に緊急事態宣言延長
政府は3月5日、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に発令している緊急事態宣言を21日まで2週間再延長すると発表しました。これにより、飲食店の時短営業、外出・イベント・施設利用の制限が続くことになります。新型コロナウイルスの新規感染者数は全国で1,000人、東京で300人程度まで減少し、重症者数も全国で400人程度、東京で50人程度まで減少しています。政府は、感染や医療提供の状況を示す6つの指標がステージ3(感染急増)相当に下がることを緊急事態宣言解除の目安としており、東京都を含めた全地点で6つすべての解除基準をクリアしている状況となっていますが、菅首相は「リバウンドの阻止」を理由に緊急事態宣言の延長を決定しました。目標達成後にゴールポストを動かした印象が強い決定ですが、世論調査ではおおむね8割が今回の緊急事態宣言の延長を支持しており、民意に従った結果とも言えます。一方、緊急事態宣言の延長によって経済的な損失は拡大します。今回は、1都3県の緊急事態宣言延長により発生する、追加支出や経済的損失を試算してみます。<文:ファンドマネージャー 山崎慧>
脱炭素で注目の「銅」先物価格が史上最高値へ、強みを持つ総合商社はどこ?
資源・エネルギー市況の回復続く
新型コロナウイルス感染拡大の影響で急落した、原油や銅など資源・エネルギー市況が回復傾向にあります。これは、コロナ禍で急速に落ち込んだ世界景気の回復が継続すると想定していることが背景にあります。また、米国や欧州、日本など主要国の中央銀行による金融緩和が長期化する見通しであることに加え、米国のバイデン政権による追加経済対策の実施や中国の第14次5ヶ年計画によるインフラ投資の実行など主要国の財政出動のほか、新型コロナのワクチン接種が世界的に進展していることから、今後も資源・エネルギー市況の回復が続くとみられます。
パウエルFRB議長「金利上昇に慌てない」、足元相場から導かれるドル円予想は?
米2月雇用統計結果と米FRB発言
2月25日に米10年債利回りは、一時1.6085%まで急上昇していました。昨年12月31日の終値レベルが0.9132%、1月29日の終値レベルが1.0655%であったことを考えると、2月に入ってからの米長期金利上昇は目を見張るものでした。市場の注目が米インフレ懸念、米長期金利上昇に向いていることで、3月1日~5日の週は米2月雇用統計よりも、米FRB(連邦準備理事会)当局者の発言が重要視されることとなりました。今回は、注目された米FRB当局者の発言を確認し、原油先物市場、米2月雇用統計結果から、今後のドル円相場を予想します。
東日本大震災から10年、改めて確認したい日本の防災・減災政策と注目企業
菅政権でも進められている国土強靭化
国土強靭化という言葉を知っていますか?国土強靭化とは、大雨や津波、地震、火山噴火、異常気象等の自然災害に対して、防災や減災を図ろうとする政策のことです。国土強靭化は東日本大震災以降、株式市場で注目されてきた投資テーマの1つですが、今年2月に福島県沖で最大震度6強となる強い地震が発生したことや、今年は東日本大震災から10年を迎えることなどから、改めて注目が集まる可能性があります。そこで今回は、国土強靭化に関する政策の内容や、恩恵を受けそうな関連銘柄を紹介したいと思います。
TikTokのライバル動画アプリ「快手」が香港市場に上場、注目は“投げ銭”と“網紅”の経済効果
動画投稿とライブコマース
2月5日、中国で動画投稿アプリ「クアイショウ(快手)」を運営する快手科技[クアイショウ・テクノロジー](香港:1024)が香港市場に上場しました。同社は主にショート動画やライブ動画、ライブコマースのプラットフォームを運営しており、2020年9月時点のデイリー・アクティブ・ユーザー数(毎日1回以上アプリを利用する人)は約3億人と中国の「ティックトック(TikTok)」の約6億人に次ぐ業界第2位の規模を誇っています。今までソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と言えば、欧米を中心とした「フェイスブック(facebook)」や「インスタグラム(Instagram)」、「ツイッター(Twitter)」、アジアを中心とした「ウィーチャット(Wechat)」、「ライン(LINE)」など文字や写真を投稿するサービスが一般的で、人々にとって重要なコミュニケーション手段として広く普及してきました。しかし最近では、通信技術の進化に伴ってより直観的に情報を伝達できる動画投稿アプリの人気が急速に高まっており、SNSの主戦場は文字や画像から動画へとシフトし始めています。その中で、中国の「ティックトック
米長期金利が上昇しても2021年株式市場の強気は崩れない3つの理由
過度な金利上昇リスクは限定的
2月の世界の株式相場は、新型コロナの感染沈静化や、ワクチンの接種が広がりなどを受けて、月半ばにかけて堅調な推移を辿りました。しかし、米長期金利上昇への警戒感が強まると、月後半はやや軟調な展開となりました。そして、米10年国債利回りが1.5%を超えたところで、株式市場は一気にリスクオフに傾き、2月26日の日経平均株価は前日比1,200円以上、下落しました。それまでの急ピッチな株価上昇で、株式に割高感が指摘されていたタイミングで、米金利の上昇が下落の引き金を引いたかたちです。とはいえ、現段階では株式市場の参加者は比較的、冷静さを保っているように見受けられます。米金融当局がすぐに金融緩和政策の方針転換を図るとは考えにくく、過度な金利上昇には適切に対応していくと見られるためです。今のところ、米10年国債利回りが上昇し続けるリスクは限定的と考えられます。依然として、新型コロナの感染沈静化と、それによる経済正常化のシナリオは不変です。また、米国で昨年末の景気対策に続く追加の景気刺激策が、バイデン新政権のもと、導入に向けて粛々と準備が進められていることも相場の支援材料です。他方、企業業績は実績の好調
中国の野心的目標が明らかに?今年の全人代は例年以上に注目すべきと考える理由
環境政策や金融政策方針にも注目
コロナ禍からいち早く回復を遂げた中国では、3月5日から全人代(全国人民代表大会)が開催されます。その中で、コロナ対応から脱却した中長期的な成長を見据えた政策が議論、採択される予定です。例年のような経済政策方針に加え、ハイテク製造業や環境関連など中長期的な投資テーマとなる事柄への言及がなされる見通しのため、その内容を例年以上に注目すべきと考えています。
金利上昇でテスラ株が急落!「金利が上昇すると株価にマイナス」はなぜなのか
“デュレーション”を考える
2月12日にオンライン形式で開催された主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、米国のイエレン財務長官は新型コロナウイルス危機からの脱却へ「今こそ大胆な財政出動に踏み切るときだ」と主張しました。イエレン氏はこれに先立つテレビのインタビューでも同様の主張を述べており、追加経済対策がいよいよまとまりそうとの機運が高まっています。議会の方でも民主党は今週中に下院で1.9兆ドルの追加経済対策の法案を成立させる見通しと伝わりました。民主党上院トップのシューマー院内総務も、3月中旬までに上院で経済対策法案を成立させることに前向きな姿勢を示しています。これに加えてワクチンの普及で経済が回復するとの見通しも強まってきました。米南部を中心とした寒波の影響でワクチンの流通に一部で支障が出ていたましたが、サキ大統領報道官は「今週中に配送の遅れを取り戻す」と述べました。さらに、バイデン政権は23日、ワクチン供給量を増やすと明らかにしています。米国では新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にありますが、こうした政府の対応でコロナ感染拡大が抑制される期待が高まっています。景気回復期待を背景にコロナ禍で打
企業の将来像が分かる?キリン、日立、伊藤忠、個人投資家も一読すべき企業の「統合報告書」とは?
価値創造ストーリーを描く
ESG投資家が投資判断時に活用する情報のひとつに「統合報告書」があります。これは「財務データ(売上や利益など損益計算書、現預金や純資産など貸借対照表のデータ)」に加え、「非財務データ(経営者の能力や経営理念、社員のモチベーションの高さやスキル、商品開発力、技術力など決算書に出てこない情報)」の両方の観点から企業の方針や経営についてまとめたものです。近年、発表数は増加基調にあり、2010年時点の23社に対し、20年10月には565社にのぼりました。今回は、個人投資家にとっても有用な統合報告書について解説します。
トヨタ、サムスンらが続々参入、EV用全固体電池の世界的開発競争で注目される銘柄は?
EV市場のゲームチェンジャー
CO2排出規制強化の動きが世界に広がり、ガソリン車から電動自動車(EV)へのシフトは、もはや後戻りできない、世界的な流れとなっています。ただ、EVは弱点として、ガソリン車並みの航続距離を確保しようとすると、リチウム2次電池の搭載個数を増やす必要があります。そうすると、高コストで車重も重くなり、以前より改善されたとはいえ充電に時間がかかります。さらに、電解液に発火しやすい石油由来の液体を使っている、といった課題があります。こうした課題に対して、正極や負極に使う材料を工夫して重量当たりの容量を増やしたり、電池を水で冷やして安全を担保したりしていますが、抜本的な解決にはなっていません。これらの課題をクリアするには、新しいアプローチが必要であり、その筆頭として、期待されているのが全固体電池です。今回は、この全個体電池について解説します。
トランプ大統領より攻撃的なバイデン政権の議会運営、株価に水を差すリスクは?
超党派の合意をはやくもあきらめ
米国のバイデン大統領は、就任に合わせて総額1.9兆ドルのという景気対策を発表しました。その名も「アメリカンレスキュープラン」です。このプランをめぐり、バイデン政権の攻撃的とも言える議会運営方針が見えてきました。<文:ファンドマネージャー 山崎慧>
米国株と日本株市場に新たな動きが?日経平均3万円以降のシナリオを探る
上昇相場はどこまで続く?
新型コロナウイルスの到来から早1年。世界的にワクチン接種が始まり、徐々にウイルスとの闘いの収束が見えつつある中、株式市場は好調さを維持しています。米国市場は1月末に久々の調整を見せたものの2月に入り下げ幅を取り戻し、主要指数での最高値更新が続いています。日経平均株価も2万7,000円台半ばで新年を迎えた後、急ピッチで上昇し2月15日は大台の3万円台に到達しました。バブルとの声も徐々に大きくなる中、上昇はいつまで続くのでしょうか。ここまでの値動きと今後のリスク要因について見ていきましょう。
東北で震度6強!最近よく聞く国土強靭化計画、有望な投資先は?
今後5年間で公共投資拡大
1月18日に召集された2021年の通常国会で、昨年末に閣議決定済みだった2020年度第3次補正予算が成立しました。まもなく、2021年度当初予算案も予算委員会での審議を経て成立する見通しです。これらの予算案では、デジタル化などの新しい技術の普及が成長戦略として掲げられる一方、即効性の高い景気刺激策として公共投資に大きな予算が配分されています。今回は近年の公共投資の中心となっている国土強靭化対策、投資先として有望な関連企業について解説します。
ブロックチェーンが私たちの生活に不可欠となったこれだけの理由
デジタル通貨普及、食の安全、電力安定の基礎基盤に
2月8日、米EV(電気自動車)メーカーのテスラが約1,600億円のビットコインを購入したと発表しました。ビットコインの価格も一時500万円(1ビットコインあたり)を超えるなど、市場が活気づいています。そのビットコインなどデジタル通貨の基盤を支える技術として一躍有名となったのが、ブロックチェーンです。今回は、デジタル通貨だけではない、ブロックチェーン技術の活用可能性について解説します。
絶好調なソニーでも任天堂でもない、これから株価上昇が期待できる意外な銘柄
アフターコロナを見据えた投資戦略を
緊急事態宣言の効果もあってか、東京や日本全体の新型コロナウイルス感染者数はようやく減少傾向となっています。まだまだ油断はできませんが、まもなくワクチン接種が始まり、私たちは一歩ずつ新型コロナ克服の道を歩んでいます。こうしたなか日経平均は2月9日時点で2万9,505円と、3万円到達が目前に迫っています。バブル崩壊後失われた20年とも30年とも言われた日本経済ですが、株価という側面ではようやく暗いトンネルから抜け出そうとしています。
日経平均は2万9000円台を回復!世界景気とワクチンから考える今後の展開
海外投資家が日本株買いをけん引か
年明け以降の世界の株式相場は騰勢が強まりましたが、1月の月末にかけて米国株式市場の混乱が波及、日本株市場も調整色が強まり、日経平均株価は25日移動平均線を割り込む場面もありました。政府は2月2日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、11都府県に発令中の緊急事態宣言について、栃木県以外の10都府県で3月7日まで延長しました。しかし、相場の基調が大きく崩れることなさそうです。昨年11月以降の急ピッチの上昇も反動もあり、しばらくはボラティリティーの高まる場面もありそうです。一方で、世界的な金融緩和の継続と世界経済の回復見通しを背景に相場は強い地合いが続くと予想されます。<写真:つのだよしお/アフロ>
楽観的なムードの米経済 悪い指標には反応せず?イエレン米財務長官は何を語ったか
1月雇用統計は予想よりもかなり悪い内容に
米株式市場は指標が強かろうが弱かろうがお構いなしで、超過剰流動性を謳歌し、NYダウ、S&P500、ナスダックの主要三指数が史上最高値を更新する日が続いています。株式の上昇は人々を楽観・能天気にさせ、都合のいいものだけに反応する傾向を強めてしまいます。