はじめに
繰り上げ返済のタイミングはいつが良い?
マイホームを購入され、嬉しい反面、今後のマネープランも心配なようですね。
35年ローンで71歳に返済終了予定とのことですが、ご相談者さんもおっしゃるように、繰り上げ返済を実行して、65歳までにローンの返済は終了したいところですね。
基本的に、繰り上げ返済は、借り入れから早期に実行するほうが利息軽減効果は高い仕組みになっています。では、早期に繰り上げ返済をしようと思うと、気になるのが、住宅ローン控除との兼ね合いだと思います。
住宅ローン控除は、消費税増税に伴い、控除期間が10年から13年間に延長になっています。1年目から10年目までは、住宅ローン控除で税額から控除されるのは、「年末時点のローン残高の1%」です。11年目から13年目の控除額は少し複雑で「年末時点のローン残高の1%」と「建物購入価格×2%÷3」のいずれかの小さい金額となっています。
一般的には、繰り上げ返済をする金額にもよりますが、ローン金利が1%以下で借り入れできている場合であれば、住宅ローン控除の適用期間中に繰り上げ返済を行うと損をするケースが多いようです。
ご相談者さんの場合、借り入れ金利は、0.68%とのことですから、住宅ローンの適用期間中に返済するよりも、住宅ローン控除が終了した後に、一括で繰り上げ返済をしたほうがお得になる可能性が高いといえます。
65歳までに完済するための返済額の目安は?
詳しい家計の状況がわかりませんので、具体的なシミュレーションは控えますが、一般論に当てはめると、ご相談者さんのケースでは、住宅ローン減税が終了した13年後に繰り上げ返済する方がお得なので、どのくらいの金額を繰り上げ返済すると、65歳までに完済できるかをシミュレーションしてみます。
仮に4,100万円を変動金利0.68%で35年間借り、13年後に600万円を繰り上げ返済するとします。利息軽減効果を考慮して、期間短縮型を選択すると、返済期間が約5年間縮小します。
現在、すでにローンの返済も進んでいるかと思いますが、繰り上げ返済の金額の目安にしていただければと思います。実際には、いつの段階で繰り上げ返済をするとお得なのかは、詳細な情報を考慮してシミュレーションをする必要がありますので、あくまでも参考としてみてください。
また、繰り上げ返済をする場合には、生活費の半年から1年分の現金は残すようにしてください。何か不足の事態が起きた時に、現金があるかないかはとても大切なので、繰り上げ返済をしすぎて、不足の事態に備えられないということはないようにしましょう。