はじめに
出産後の家計をシミュレーションする
現在の状況であれば、順調に繰り上げ返済の資金も貯まっていくと思います。とはいえ、将来的にお子さんをご希望とのこと。お子さんができると家計の状況は変わってくると思いますので、まずは、何年後に子どもができるのかを仮定して家計のシミュレーションをしておくことが大切です。
その際、子どもが生まれた場合の夫婦の働き方をどうするのかが大きなポイントとなるでしょう。仮に、奥様が産休・育休を取得する場合には、当然のことながら収入が変化します。産休、育休を取得した場合の給付金も合わせて確認しておくと安心です。
通常、会社員の人は、「産前の6週間(42日)と産後の8週間(56日)あわせて98日」は、いわゆる産休として休むことが認められています。そして、産休中の給料を補ってくれるありがたい存在が「出産手当金」です。健康保険に入っていれば、支給日額に会社を休んだ日数分受け取ることができます。
ちなみに、支給日額は、「支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した金額を30日で割り、その金額に2/3を掛けた金額」です。
育児休業中の制度を確認してみよう
また、産休が終わると、今度は、育児休業に入る人は多いでしょう。原則として、子どもが1歳になるまで育休を取ることが可能です。育休中の収入減をカバーするのは、「育児休業給付金」です。
「育児休業給付金」は、雇用保険に加入していて、育児休業開始前の2年間のうち12カ月間、各月の労働日数が11日を超えている人が受け取れる制度。原則子どもが満1歳になるまで受け取ることができますが、認可保育園に申し込んだものの空きがなく、市町村から「不承諾」の通知書を受取っている場合には1歳6カ月まで延長することができます。
育児休業給付金の金額は、育休に入って最初の6カ月間については67%、その後の6ヶ月間は50%支給されます。
参考までに産休、育休中の健康保険や厚生年金保険料は免除されます。保険料を支払わないからといって、将来の年金が減るということはありません。
具体的に給付金がどれくらいもらえるのかをシミュレーションしてみると、出産後の家計のイメージが湧きやすいでしょう。
この他、出産後にもらえるお金としては、「出産育児一時金」や「児童手当」などがあります。出産するとお金がかかるというイメージがありますが、給付金などを上手に活用すれば必要以上に心配することはありません。
また、現在、貯蓄が600万円ありますから、奥様が仕事復帰するまで一時的に収入が減ってしまったとしても貯蓄から取り崩すなどして対処することができるでしょう。