はじめに

中長期的な教育プランのイメージを

ご相談者さんは、老後の資金についてもとても心配されているようですね。自分たちの老後の資金が十分に準備できるかどうかの鍵は、子どもの教育費にあります。ですから、子どもの教育費についても中長期的にイメージしてみましょう。

出産時や子どもが小さいうちは、そんなにお金がかからないため、奥様が仕事をセーブしたとしても家計が逼迫することはないでしょう。その分、スイミングや英語、ピアノ、運動教室など、あれもこれもと習い事をさせてしまうご家庭も多いかもしれませんが、子どもが成長するにつれてお金のかかり方は加速します。

とはいえ、ひとくちにお金がかかるといっても、子どもの進学コースによってもかかるお金は全く違います。

参考までに幼稚園から大学まで、オール公立の場合には、子ども1人につき約1,000万円ですが、オール私立の場合には、子ども1人につき約2,500万円程度かかります。

最近は、首都圏の高年収世帯を中心に私立受験をさせる家庭が増えているようですが、仮に子どもを中学から私立に通わせようとした場合、小学校4年生から6年生までで塾代が総額300万円程度かかります。また、その後の学費で月額10万円程度はかかるでしょう。

教育費の目安と貯め方は?

教育費準備の考え方として、子どもが高校を卒業するまでの学費は家計からやりくりし、大学の学費は、子どもが18歳になるまでに、300〜500万円を準備するというのが基本です。

子どもが0歳から15歳まで支給される「児童手当」を使わずに貯めると、子どもが15歳の時に、約200万円貯まります。児童手当とは別に子どもが0歳の時から18歳まで毎月1万5,000円貯めると、324万円になります。児童手当と合計すると、524万円になりますので、大学の学費はクリアできます。

つまり、中学、高校と子どもが私立に通う場合には、大学の資金のために貯蓄しつつ、家計から教育費として月額10万円程度を捻出することができるかどうかが目安になります。中学、高校と子どもが公立に通う場合には、家計から教育費として月額3〜4万円程度の支出が目安になります。

ただし、一定の条件を満たせば、私立高校、公立高校どちらに進学する場合でも助成制度があります。子どもの進学にまつわる助成制度なども調べておくと良いでしょう。

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