はじめに
自立していて堅実な人柄の相談者
まずは全体の状況から確認していきます。ご相談者さんは公務員と同等待遇の会社員として働いており、現在5歳のお子さんがいます。お住まいはご自身名義で5年前に購入済で、ローンはあと1,800万円残っています。住宅を購入されたということで頭金なども使ったと想像されますが、ご自身名義の貯蓄が1,200万円あります。経済的にも自立した女性であることがわかります。
今後の家計についても、財産分与はある程度期待できるもののあてにしないで見立てを立てたいということですね。自立していて堅実、現実的に物事を考えられるお人柄なのでしょう。
成年年齢が18歳に。親権終了後の学費も公正証書で取り決めを
お仕事もあり、お住まいもお持ちですから、基本的な暮らしはこれからも大きく変わることはありません。話し合い次第にはなりますが、離婚後は夫が家を出ていき、夫から子どもの養育費を受け取ってお子さんと生活をしていくことになるでしょう。
養育費についても話し合いで決めますが、一つの目安としては「養育費算定表」があります。裁判所のホームページで一般にも公開されているので参考にしてください。離婚時に取り決めをしても、後々養育費がうやむやになってしまうことも少なくありませんから、公証役場に出向いて、公正証書を作成しておくことをお勧めします。
なお、2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられました。親権は18歳で終了しますが、お子さんの大学進学などを予定している場合には、大学卒業までの教育費についてもしっかりと取り決めをしておきましょう。
家計状況の把握は使途不明金の把握から
家計の状況ですが、養育費も含めた離婚後の手取りは40万円。それに対して毎月の支出は35万円、貯蓄は3万円、つみたてNISAは3万円となっています。
ところが、ご記入いただいた支出の内訳を合計してみると26万9,000円(投資、貯蓄を除く)となっていて、毎月の支出35万円と、8万円以上の誤差が生じているのが気になります。
この8万円は使途不明金なのでしょうか。それとも現在の3人暮らしの支出が35万円で、内訳は離婚後のお子さんとの二人暮らしを想定した金額なのでしょうか。ちょっとわからないので、収入は40万円、支出は35万円という前提で考えていきたいと思います。
すでにご自身名義の貯蓄が1,200万円あるので、今後はつみたてNISA3万円を継続しつつ、残った2万円を貯蓄としていきましょう。